インスタレーションアート

HECP(ホームエレクトロニクスカフェ)の芸術表現は、「家」と「地区」を空間ギャラリーとして見立て、アップサイクルされた家電や家具などのアッサンブラージュを寄せ集め、不作為に配置されている空間を作るのである。そして、観客を「家」と「地区」という主観的な作品のなかへ呼び込んで行く。〝できすぎず、もてなさず〟という侘び寂びの未完全の美意識にアーツアンドクラフツは、従来の「芸術」は難解なものという固定概念や、「芸術」に対する障壁を取り除くことにより、観客の想像力を触発し、新たな主体へと変化させていくのである。それは、「技術の習得や社会的成功に向けて努力しない」という〝無力〟による「芸術」表現である。〝キャスト〟との化学反応により、「家」と「地区」という作品の表情は毎日変わる。観客がその空間を体験(見たり、聞いたり、感じたり、考えたり)する方法をどのように変化させるかを要点とするアートフェスティバルであるとも言えるのだ。観客と演者の境界をとりのぞき、“家”が自己表現をするのを手助けする、カフェというアートフェスティバルの新しい側面を紹介します。観客が受身で見るだけでなく、役者として― 主役や脇役として参加することを求めるからオープンなのである。

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